RADIOHEAD: 2007年10月アーカイブ
「In Rainbows」と、15の夜空を越えて。
ただいま、24日の夜。ちょうど「In Rainbows」が届いてから、2週間経ちました。
少し前に、焼いたCDRをコンポが読まないからMacでしか曲を聴けないとぼやいていましたら、それを知って知らずか奇跡的に15年目のVictor爺が奮起してくれて、3度に1回は再生してくれるように
なったのです。奇跡!(が、オールリピートまでは力及ばず手動でやっています)10日の評価でのマイナス15ポイントは消し。それでも結局、ここ2週間のうちは「In Rainbows」はiTunesで聴く事が多かった。どうしても何曲かは音が割れるように聴こえて「もうこれはこういう仕様なのだ。しょうがない。」というダジャレをぐっと飲み込みつつ。
今日はちょうど2週間という切りのいい日だったので、iTunesの再生回数を見てみたら、あらら! 思ったより再生している! トータルで71回転していました。14日間で割れば、1日5回転?! 仕事の日はともかく、休日は特によく聴いてたからなぁ。というわけで、14日間「In Rainbows」がしっかり浸透したところで、ちょっと考えをまとめるべく、ひとつ書いてみます。長文になるので、興味のある方だけどうぞ。
しかし、何なんだろう? 「In Rainbows」の持つ、この恐ろしいほどの中毒性は。
何度も何度もリピートさせて聴いている。PCで聴く時も、もちろんリビングの大きい方のスピーカーで聴けば、回数を重ねるにつれ、音の層の深さに意識が集中して、ぐいぐい惹き込まれる。20日に一言書いたとおり、己はやはり、このアルバムにはさほど「革新さ」は感じられない。(「ではお前の言う『革新』は何なのだ?」と問われれば、それこそ「Kid A」の存在がそうだった) 「Jigsaw Falling Into Place」 なんて、どういうわけか、聴いていて1stアルバム収録の「Blow Out」を思い出したくらいだったもの。
デジタルとアナログの融合が巧みな点は、一つ前の「HTTT」で結実した方法論(”ライヴでも活きる音”)を踏まえた応用であるように思えるし、生の声で録られた部分とエフェクトが細やかに施された部分がミックスされたボーカルトラックと、楽器のそれぞれのトラックも丹念で、それらの微に入り細にわたった絶妙な位相加減は「Kid A」のレイヤー構造。メロディの美しさと存在感は、私の大好きな「OK Computer」、そして「The Bends」に及ばんとする勢い。
どの曲もこれらの特徴がよく表されているが、なかでも圧巻なのはラストの「Videotape」という曲。
トムの声は最初、耳元で静かに歌っているかのように、とてもはっきりとリスナーに届くのだけど、ピアノの旋律、規則的なリズム、コーラスに徐々に埋もれて、歌い手は意識の届かない、遥か彼方に消えてゆくイメージ。聴いていて「The Tourist」という美しい曲を思い出す。
そうだ。この音の表現と歌の表現の両者が紡ぐ「美しさ」こそ、最初に己がRadioheadの音楽に見出した絶対的価値であったのだ。「Kid A」以降、多少、技巧面に重きを置いてきたRの音楽性が一巡して戻ってきたという印象。だから不思議と「懐かしさ」を感じさせるのか?
構成については、トム曰くアルバムは「曲順を死ぬほど考える」のだそう。今回は10曲、計42分ちょっとと「Pablo Honey」並に短い。ひとつ前の「HTTT」は14曲とボリュームたっぷりだったわけだけど、常々「『The Gloaming』を境に二部構成のアルバムである」と感じていて、アルバムを聴いていて、いつも「The Gloaming」で一息ついてしまう。同じ事を雑誌かなにか、どこかの誰かも言っていたような記憶があるな。っていうか、「The Gloaming」(黄昏)という名の曲が境界線だなんて、これこそトムの仕組んだ伏線じゃないの〜?と邪知してみたり。
冗談はさておき。コンパクトなアルバムだけど、曲順に関しては、当然今回も「死ぬほど」考えたのだろう。きれいな曲が多いので、大人しく収まっている感も無きにしもあらずだが、油断するなかれ。「In Rainbows」は・・・「停止ボタンを押せないアルバム」。うーん、初めての境地です。
最初にも書いた「In Rainbows」の中毒性。
そのこころは、過去6枚のアルバムの経験と技術、そして表現の集大成。
光の分散から生じる虹。光は全ての色覚の成分を含み、それらが混じり合って白色に見えている。
「rainbow」の語源は「rain(雨)」と「bow(弓)」。弓状になって空にかかる橋。
彼方から此方へつなぐ道。過去から現在、未来までも一条の光の道で。
混沌の世、人の心の移ろいはプリズマティックで、だけど決して美しいものではなかったり。
何か理由のがあっての「In Rainbows」なのでしょうか?
歌詞に関しては、いまだに全部消化しきれていないので、ここでは言及できませんが、ただ一つ、第一印象としては、確実に意識の表現がシンプルになってきている。シンプルというのは平易という意味ではなく、率直という意味で取ってください。相変わらずのレトリック・スタイルではあるのだけれど。
「There Will Be Blood」がリリース。
来月公開予定の映画「There Will Be Blood」の映画音楽を手がけたジョニー。
■ アカデミー賞サイト オスカーノユクエ/「There Will Be Blood」
アルバムがAmazon.comにてプレ・オーダー開始。日本での公開は年明け?
(source : at ease)
「There Will Be Blood Sountrack」/Jonny Greenwood
レーベル:Wea/Atlantic/Nonesuch
曲目は次のとおり。
1. Open Spaces/2. Future markets/3. Prospectors Arrive/4. Eat Him By His Own Light
5. Henry Plainview/6. There Will Be Blood/7. Oil/8. Proven Lands/9. HW/Hope Of New Fields
10. Smear
トレイラーはこちらから。しっかり雰囲気出ております。
(2003年にジョニー名義でリリースされた、同じくオリジナルサウンドトラック「Bodysong」の「Convergence」という曲が聴こえるのですが、これも使われているのか?)
■ SlashFilm.com/New There Will Be Blood Movie Trailer
ついでに、少し古いニュースですが、ジョニーがオーケストラのために作曲し、2006年に
「British Composer Awards」のBBC Radio3リスナー賞受賞した「Popcorn Superhet Receiver」という曲がありまして、この曲が、今秋から翌年1月までアメリカで開催されるイベント
「The Wordless Music Series」の、1月の公演で披露されるとのこと。
■ The Wordless Music Series 公式サイト
ユニークな名前の割にペンデレツキ・サウンドばりばりの不穏な音響です。
BBC Radio3でストリームされているのを聴く事が出来ますが、どうも不安定。聴けない時は何度かリロードしてみてください。
■ 「Popcorn Superhet Receiver」(RealPlayer Media File)
ジョニーくんの作曲した曲は、好きだと公言しているペンデレツキの音楽をルーツにはしているものの、
「不穏さ」と隣り合わせて、彼なりに「美しさ」が表現されている。優雅だけど、恐ろしい。
「Popcorn〜」や「Smear」を聴くと、新曲「In Rainbows」の6曲め「Faust ARP」のバックに聴こえる、
あの美しいストリングスはジョニーの仕事なのかな、と想像してみたり。(なんせ、公式のコメントが出ないもんだから、どこをどう、誰がアイデアを出し、組み立てていったのかとか詳細が掴めない…)
この曲は、例えば、第一楽章のラストなどは曲の静的な導入部分と対照的で、弦を叩いてビートを強めているところに、彼の音楽的嗜好を垣間みて、一ファンとして興味深く。
また、これらの曲はRのメンバーは既に聴いていると思うのだけれど、ジョニーをお気に入りな皮肉屋トムくんは、一体どういう感想を彼に言ったのか、妄想的ファンとして気になるところ。
2017年の音楽
本日、予約していた「NME/10月13日号」を購入。
毛穴までくっきりはっきりのトムくんの恐ろしい表情がレイアウトされた表紙写真を手にして、いろいろな意味で戦きつつ、さてページを捲る。4ページもの特集を組んだNME。
表題は「Welcome To The Revolution」。ダウンロード版の10曲のレビューに、希望額購入制についてのコメント等々。
2ちゃんねるでは、歌詞の独自翻訳でなかなか盛り上がっているようみたいですね。
Radioheadのスレッドは平和なところと大荒れなところと、かなりの落差があるので、己はよう行かんのですが。個人ブログなどでも、さっそく歌詞の翻訳をしているブロガーたちがいて、皆が皆、面白い解釈や自由な意見を述べていて、なかなか興味深い。
「音楽は、歌詞は音の価値を超えない」ものだと信じて疑わなかった己ですが、その意味はというと、英語を母国語としない我々日本人が、英語の歌詞の意味を読み、解釈し、作詞者の意図や思いをどこまで汲み取れるのか、汲み取る事が可能なのか。できないのなら、やって意味があるのか。
そんなふうに、昔はやたら賢ぶって、あまのじゃくになってた己でした。
が、Rの6thアルバム「HTTT」が出たあたりから、「ちゅーか、訳して解釈しないと、トムが何を言ってるのか解らないじゃないか」という極々当たり前な結論にたどり着き、遅まきながら、音楽に対する姿勢が素直になったようです。
音楽雑誌を隅から隅まで真面目に読まなくなったのは、その反動か、否か・・・。
話を戻す。 「Welcome To The Revolution」。「ようこそ、革命へ」。
いくつかのブログを訪れて「In Rainbows」についての意見や批評を読んでいたら、「別に新しくない」といったようなコメントをしていたブロガーがいて、彼(か彼女)の意見に反論するわけではないのだけれど、ここに来て、まだRadioheadの音楽性の評価に「新しさ」がついてまわるのか、と驚き半分、呆れ半分。
新しい、というとき、無論「前回に比べて」という意味が多いと思う。
しかし、これがもし「現在の音楽シーンのなかで」の話だというのなら、己は大いに疑問に思う。芸術について相対的な点数づけをする行為こそ、何ともつまらない話ではなかろうか。
己自身は「In Rainbows」の音響については、時間をかけただけ(って別に皮肉を言ってるんじゃないんで…)工夫もかなり凝らされていると思うし、各パートの演奏も、アレンジも丁寧に作り込んだ印象。メロディの美しさには、いつものことながら感動しっぱなし。
2006年のライヴバージョンを事前に聴いていて、それと比べると確かに「新鮮」ではあったけれど、しかし、「革新さ」はさほど感じられなかった。
最近ふと思うのは、己は今年26歳になるわけだけれど、きっと10年後も音楽は好きで、いろいろ探して聴いていると思う。
だが、10年後の2017年、一体どんな音楽が存在するというのだろう。根拠のない不安が時々沸き起こる。
音楽の歴史にも、技術的にも何ら詳しくないし、別に何かバンドやら音楽活動をやってるわけではないから、裏付けも何もないのだけど、何となく、音楽はもう際の際まで、行くとこまで行っちゃった気がしてならない。・・・素人の浅はかさでしょうか?
迷惑行為を注意したらナイフで刺される今日、まったく話にならない政治家と役所に生活をがっちり固められている今日、危機的な世界情勢がガソリン代や電気代やパンの値段の値上がりというかたちでリアルになってきた今日。2017年なんて、下手したら音楽なんてやってられない世界になってるんじゃないのか。 って馬鹿馬鹿しい誇大妄想。
2007年もあと2ヶ月少しという今日、葛根湯の効能もほぼ消えかけ、そういう何ら脈絡も意義もないことを、微熱の脳みそを抱えた22時の高速バスの中で考えていました。
闇夜のなか、キンモクセイの香りだけが、冷たい空気に乗ってきたなぁ。
かの菅公も歌ったように、花の香りというものは季節をもっとも感じさせます。
ちなみに当サイトの「naku-yoru」の語源も和歌から取っています。視覚、聴覚、嗅覚に訴える、とても美しい歌。
「橘のにほへる香かも霍公鳥鳴く夜の雨にうつろひぬらむ」(大伴家持)
夏の盛り、庭の橘が実に芳しい。
ほととぎすの一声わたる夜。
降りしきる雨に、
彼の地の橘は、香りが失せてしまっているだろうなぁ。
和歌というものは、己は「音楽」だと解釈して良いと思う。四大要素はきちんと入ってますから。
メロディは、一音一音の響き。リズムは5・7・5・7・7調。ハーモニーは語句から浮かぶイメージ。音色は読み手の声。
1000年以上に前に生まれ、既に音楽の四大要素が含まれた和歌が現代の音楽にもしっかり通じていると考えると、10年ぽっちがどんなもんだというのか。
深秋はすぐそこ。茄子とか栗がやたらに美味しい。早く風邪を治さねば。
東奔西走。
10月10日にデジタルダウンロード版がリリースされた, Radiohead「In Rainbows」。
Radiohead.com/DEAD AIR SPACEにて、10日付けのトムの書き込み。
「『In Rainbows』を聴いて、君が楽しんでくれていることを願ってる。
アルバムをやっと出せて、安心している。ぶっとんだ数週間だろうね…まぁご想像のとおりに…」
また、昨夜パブで読んだらしい雑誌「WIRE」の、Robert Wyattの記事を引用しています。
英語圏の音楽雑誌、音楽ニュースサイトなど、ウェブ上の至る所で「In Rainbows」のレビューが続々とアップされています。
ブックマークしてある、それらのサイトを毎日チェック。もちろん、RSSで定期購読しているものの、あまり上手く使いこなせません。先月と比べて、明らかにMacに向かっている時間が長くなっています。
ウェブの世界を東奔西走。ふくらはぎのかわりに肩と目を激しく傷めつつあるようです。
ウェブ以外の媒体となると、最速のブツは当然ながら週刊の音楽雑誌。
某誌とは逆に、まさにグッドタイミングで発売となる雑誌がこれ。大方の予想通り、Radioheadを表紙にもってきた「NME」。
現地、イギリスでは毎週水曜日に発売。己調べでは、この雑誌は発売の週の土曜に福岡で購入可能。要予約。
ごめんなさい。
もう二度と同じ間違いはしません。
許してくださいよ〜・・・泣
って邪な考えなんてないのに謝っちゃう、その鋭い眼光。
いやほんと、怖いってば、トムくん。
NME.comのサイトに行くと、ホームにずらずらとコンテンツが並んでて、 右側の部分には「In The Magazine」という見出しで、最新号の表紙の写真が載せてあります。
ここをクリックすると、いつもだったら最新号の見出し&購読のページに進むのですが・・・どういうわけか今号は、ハイテクによって鉄壁のセキュリティを誇る銀行への侵入を企む犯罪者一味をまとめる知的なボスのような、このトムくんの表紙の写真が、中と大と2種類。初めてだ、こんなボリューム。 いささか、やり過ぎな感も否めない、NME編集部。Rをきっとお気に入りなのね。
月刊の音楽雑誌は、己の予測では10月10日にプラス2週間の今月末あたり、それぞれの雑誌が動きそう。 雑誌類も出来る限り入手すべく、リアル東奔西走いたしましょう。
(追記)現在、12日(金)の午前2時47分です。BBC Radio 6Musicを聴いています。「Steve Lamacq」(平日/16時〜19時)が放送中。(ロンドンの現在時刻)
■ BBC Radio 6Music - Steve Lamacq(DJ:Steve Lamacq)
今週の放送分でRadiohead「In Rainbows」のことを取り上げるとのこと。何か情報があるかも。明日以降でも、番組のバックナンバーは上記のサイトで聴く事が出来ます。トラックリストは明日、改めてアップします。
あら、新曲流していいんだね…って、別にいいのか。「BodySnatchers」が今かかっています。
Look! Up in the sky!
見よ! 空の彼方を!
9時間ほどの時差を経て、我が家に降ってきました、Radiohead「In Rainbows」。
本日リリースとなったのは、デジタルダウンロード版。
10日のちょうど午前0時。さて明日も早いし、そろそろ寝ようかと思い、Macの画面へ向かうと1件の新着メール。
w.a.s.t.e.から??? え、うそ? 日本時間に合わせてくれたの?
すげぇどきどきして開いてみたら、なんて事ない「明日、ZIP形式で送るんでよろしく。フツーに解凍できると思うけど、出来ない人はこっからソフト落としてね」って、親切な案内メールかよ。まぎらわしいわい。
というわけで、21時現在。今聴いております、「In Rainbows」の10曲を。
このうちのいくつかの曲は、2006年のライブ音源を聴いていて予備知識?のようなものを持って臨んだわけだけれども、1週間ほどかけて、しっかり体に馴染ませようと思います。
今日はざっとさわりの感想だけを。
#1「15 step」ぶふっ、やっぱいいですね。好きだ、この曲。硬いビートのレイヤーに流れるようなギターフレーズ。
#2「Bodysnatchers」好きだ、この曲も。音がすげぇ割れるし。
#3「Nude」今更、説明不要の隠れた名曲。10年近くかかったけど、きちんと形になってくれたことがもう嬉しいの。
#4「Weird Fishes/Arpeggi」テンポはかなり速く、ギターのアルペジオがたくさん重なる。前半、Tortoiseぽくない? エド、バックコーラス復活?!
#5「All I Need」この曲はとてもスロウな曲。音のレイヤーが美しい。鉄琴、大好き。
#6「Faust Arp」初めて聴く音。ストリングス・チームはこのためだったのね。映画音楽のような響きで、これも美しい。
#7「Reckoner」これもオリジナルはとても古い曲。が、まったくの別物に。ファルセット、がんばれー!
#8「House Of Cards」ロンドンのシークレットギグで披露した時とアレンジを変えたようだ。こういうギターの音の使い方は好き。
#9「Jigsaw Falling Into Place」これも初めて聴く音。あー、この曲何かに似てるんだけどなー、何だっけ・・・。
#10「Videotape」意外に今回の新曲にはピアノの音が素直に使われてない。この曲くらいじゃないのかな?
総合評価:83点。辛口ですか?
まず大きく減点となったマイナス15点について、これらの新曲はPCで聴くべきじゃない!!! って当然ですね。
ZIP形式で48.8MBってお知らせが来た時点で恐ろしかったもの。MP3ファイルで、1曲あたり4MB、ビットレート160kbps!!ありえない!!己はiTunes MusicStoreでは買い物したことないんだけど、こういうものなのでしょうか?
己はRadioheadに関してはPCで1枚のアルバムを聴く事なんてあまりない。(でも、Last.fmのベストアーティストはきっちりRだったりするんですけど)
さて、家事も済んだし、コーヒー煎れて好きな音楽を聴くかという時には、リビングにどかりと鎮座している、15年以上働いてるビクターのコンポのほうでCDを再生しています。iTunesと比べる間もなく、良い音が出るから。が、問題はこのビクター爺が、焼いたCDRをなかなか読んでくれないのです。100回試して100回駄目だったからな、昔。
実際この「In Rainbows」も、仕方なくMacで再生しているのだけれども、ちょっと音量あげると音割れして、そこでまずイラッと来たわけです。サウンドエンハンサーいじっても良い音に合わせにくい。MPEGからAIFFに変換し直して、なんとか聴けるレベルになったようです。加えて、iTunesがよく待機状態になるのも余計に腹立たしいな。メモリ、増やしたばっかりなのに。
マイナス1点は「Bangers and Mash」が入っとらん。最初の2曲と雰囲気がかぶってるから、DISC1から外れたのかもしれない。
あとのマイナス1点は、#1「15 step」に入ってた子供の歓声。誰?
12月にCDとレコードのセットが発売になるけれど、なるほど、これはレコードの音でぜったい聴きたい!!と思わせる曲(#2、#4、#5、#8)がいくつかありました。ですので、このDiscboxは12月生まれの己にとっては、いい誕生日プレゼントになりそうです。
トム、ジョニー、エド、コリン、フィル、そしてプロデューサーのナイジェル。皆さん、本当にご苦労様でした。結論は、己は早く、CDかレコードのきれいな音を聴きたいです。
トムくんの歌声には今回も感動させられてしまった。#3「Nude」の後半のところ。あなたの美しい声に、やっぱり昇天してしまいました。ほんとお疲れさまでした。
You end and I begin (HOW!)
数年かけて取り組んできた、7枚目のアルバム「In Rainbows」のDL版リリースを明日に控えたRadiohead。
15年以上もメジャーで活動を続けてきたバンドで、出来上がりに自信を感じていると言えども、さすがに今回のような新しい試みとあっては、リスナーの反応が内心気になっているのでは?
プロデューサーのナイジェルは・・・うんうん、さすがですね。ちゃんと「In Rainbows」のこと考えて。
写真がぶれてるのも、おそらくソワソワしてグルグルせわしく回ってるのだろう。
で、その傍らで何やら一心にメモっているトムくんの頭の中は・・・ってコラコラ。「iPod touch」欲しいんすか?
仕事を終えて、きっと、ほっと一息のRと周辺の関係者。
一方、年末から来年はじめにかけての予定を、あたふたと組み立て直している我々。年明けだっていう話が、2ヶ月も繰り上がっちゃあねぇ。みんな、「R定期貯蓄」の具合はいかがでしょうか?始まったら一気に崩れて行くから、怖いよな。
で、12月の40ポンドのまえに、まずこれのお会計が先。発売は10月30日の予定。己はきっちり「社割り」で購入させていただきます。
「Dead Children Playing:A Picture Book」(洋書)
出版社:Verso Books 著:Stanley Donwood
昨年、バルセロナで行われたStanley DonwoodとDr.Tchock(Thom Yorke)の展覧会にあわせて発売された作品集。今回は第2版で(初版は売り切れ)、ページが追加された「増補版」となっているようです。 (source:at ease 6/27付News)
Happy Birthday,Thom!!
Happy Birthday,Thom!!
今日は、トムくんの39回目の誕生日。
何の曲なのでしょうか、恍惚状態のトム。右の手指の角度あたり、絶妙です。
まもなく配信される「In Rainbows」の1曲目は「15 step」という曲で、2006年のライブ音源を聴くと「Idioteque」に負けず、ばりばりのディスコ・チューン。
「Kid A」以来、Radioheadの楽曲におけるダンス・カテゴリーを引き受けてきた「Idioteque」。この曲は後半、荒波のごとく押し寄せる怒濤のグルーヴがとにかく凄まじいものであります。
片や、新しい曲「15 step」の基盤を構成している10拍子の合間を走り抜けるのは、リズムマシンのクラップとカウベルのビートに、流れるようなギター&ベースフレーズ。幅広く取られたメロディの音域が、さらに曲をユニークなものにしている。「Idioteque」から「15 step」へ世代交代か!!
いえいえ、まだ健在ですよ。元祖「姫島・狐踊りダンス」(命名はワタクシ)は。
You Tubeを散策していて、これとは別の「Idioteque」のビデオに「Psycho Bunny Dance」と名付けられていた。「気違いウサちゃんダンス」と日本語で書くと身もふたもないが・・・。
■ Radiohead「Idioteque」(Live 2006 at Hammersmith Apollo)
以下、「In Rainbows」の新しいニュースを備忘として記録しておく。
・ThisIsLondon.co.ukに、アートワーク担当・スタンリーのインタビュー。題は「Radiohead are right on the money」。
「(40ポンドのDiscboxについて)失業手当を受けてるっていうんなら、それは馬鹿みたいな金だろうけど、プレミアリーグの試合を見に行くのも同じくらいかかるんだ。それに今回のプロジェクトは信じられない仕事量だったんだよ。」
全文はこちら。(source:at ease)
・「In Rainbows」が1月にレコード会社から発売されるかも…というニュースの続報。契約先はWarner、あるいはATOか、という噂。(ATOって、ATO Recordsのことなのでしょうか。Gomez好きの己としては、とても気になる噂)
全文はこちら。 (source:at ease)
・「In Rainbows」は通常のプロモーション活動は行われない事が、バンドのPRを担当するNasty Little Manより明らかになった。プロモーション用の広告、それらのウェブ配信やメディアサイトもないとのこと。(source:green plastic)
(追記の追記)
1日発売の雑誌「Rockin On」11月号の特集はRadiohead。「Radiohead OK Computer 1997」
ありゃー、タイミング悪い! でも、次号でも平気でRを表紙にしちゃいそうな予感がするのは私だけではないはず。「Snoozer」も要注意だが、これも今月18日の発売。10月1日は、入稿締め切り日はぎりぎり? どーする、Mr.タナカ?!
「In Rainbows」がメジャーレーベルからリリース?!
あと4日に迫った「In Rainbows」ウェブ配信。足労だけかけて、ニュースをさらう。ファンサイト、at easeと英国音楽週刊誌「NME」のニュースがきれいに重複していますね。ネットワークを錯綜している大量の情報を選別し、整理し、すっきりと頭の中に入れなければ。ああ、競馬のニュースは少しは載せられるのかなぁ・・・。もう、まったく!(もちろんこれは嬉しい怒声)
ここ一週間、にやにやしてる街の通行人、職場でやけに張り切って仕事している同僚、妙に心が寛大になった知り合いは、十中八九、Radioheadファンと思って間違いないよ。
ここにきて、意外な話が急浮上。
Radiohead「In Rainbows」近日中にレーベルと契約か?
■ Radiohead to signed record deal, CD out in January. (source:at ease)
うーん、以前あれだけトムが意見をしてたのに?
しかし、販売という点について現実的に考えれば、これは至極まともな話ではある。実際の交渉事を進める、昔からバンドのマネージメントをやっているクリスとブライスが先日BBC Raio4の番組「Today」に出演し「Radioheadは新作にすごく自信を持っているし、大きな市場の中において販売されるに値するものだと思っている。だから流通基盤を持ったレーベルを探している。この1週間のうちに話をすすめておきたい。」などと、新作の今後の動向について、語ったそうです。
また、実質「0ポンド」でダウンロード版を入手できることについて「馬鹿げた事のようかもしれないが、リスクについての対処は整っている」とのこと。
Discboxを購入すれば、10月10日のダウンロードも一緒にできるようになるので、2つを一緒に買う必要はないのですが、SPIN.comによれば、太っ腹なファンも幾人かいたようで、ダウンロード版の最高額は99ポンド!!! (source:SPIN.com)
レーベル契約するとなると、今現在、40ポンドで予約販売されている「In Rainbows」の売価はどうなるのでしょうか?
何が何でも購入!というRadioheadファンはさておき、Radioheadの新作に興味のある程度のリスナーにとっては、いくらで買えるのかというのは気になるところ。
さて、「アルバム6枚出します」という約束のうえで、EMI傘下のParlophoneに在籍していたRadiohead。でも、現在は既にブツがあって、さぁレーベルを探そうかっていう状況。出版業界で言えば、「原稿持ち込み」みたいな感じでしょうか・・・?
レベルの高い「原稿持ち込み」といえば、思い出すのは京極夏彦大先生。 (受賞歴もない装丁家から持ち込まれた「姑獲鳥の夏」の原稿。内容のレベルの高さ、処女作とは思えない膨大な原稿枚数から、編集者は、よもや新人の小説だとは思わなかったんだと。その後、すぐに講談社ノベルスで発売決定。)
小売店にしてみれば、DVD「Most Gigantic Lying Mouth Of All Time」のときのように、w.a.s.t.e.から出ていようが、取りあえず仕入れることは出来る。掛け率とか送料はいくらなのか想像もつかないけれど。
土木建築書を売って飯を食っている己の視点で言わせてもらえば、あらかじめ売れると分かっている商品は、地方小や官報ではなく、彰国社様やTOTO出版様から出た方が仕事もやりやすいにきまっている。
とにかく、再びレコードレーベルを相手に契約交渉をすすめるにあたって、Radioheadの立場は91年と同じ状況ではないということ。
手元には既に完成しているすばらしいアルバム。そのアルバムは既にリスナーの耳には入っていて、おそらく何らかの反響が起こっているであろう代物。活かすか、殺すか。されば、Radioheadの心中にひそむ企み事、果たして如何ばかりか・・・??