メディア: 2009年2月アーカイブ
Fingertips Music: テノリオンからFDDまで。
某MP3系ブログの話ではなくて、今日はテクニカルな楽器の話。
昨年12月、文化庁メディア芸術祭でエンターテインメント部門大賞を受賞した、ヤマハのユニークな楽器「テノリオン」。公式ウェブサイトではテノリオンの開発コンセプトや特徴を説明したページとともに、海外ミュージシャンのパフォーマンスを動画で紹介しています。「すごい!」を連発して夢中になっているジム・オルークの姿が何だか微笑ましいというか。
ところで我らがRadioheadのギタリスト、ジョニーくんもテノリオンを演奏したことがある・・・? テノリオン関連のニュースにそうあったのを目にしたが、それらしきソース見つからず。要出典。
■ TENORI-ON | ヤマハ株式会社
■ Jim O'rourke | Interviews with Musicians | TENORI-ON | ヤマハ株式会社
楽器が身近に無くても、知識があれば、使わないHDDやFDDを使ってこういう遊びも出来ちゃうという話をいくつか。「スターウォーズ」はHDDもFDDもギーガー音が雰囲気醸してますが、「音楽方丈記」さんのところで最初に見た、クラシック音楽を奏でているプリンターやスキャナーの動画がすごい。
■ ハードディスクで、スターウォーズ「帝国のテーマ」を演奏(動画) | WIRED VISION
■ スキャナーで奏でられる音楽:音楽方丈記
■ プリンタで演奏(しかもMIDI対応) : からりおん:音楽方丈記
■ YouTube - Vivaldi Spring - scanjet music
リニューアルした動画サイト「Blinkx」がなかなか快適。
例えば、先日のような「グラミー賞授章式でのRadioheadの”15 Step”のライヴパフォーマンス」といったように、お目当ての動画がちゃんと決まっているのならYouTubeの一等強いところなのですが、その逆では時間ばかり消費してキリが無いし、特に音楽モノは、同じ内容の動画が複数のユーザによってアップされていたりすることもよくある話。YouTubeでだらだらと無為に過ごすロータス・イーターな時間の使い方、時々やってしまいます。
今日は9日付のWIRED VISIONのメディア・ニュースから興味深いネタを。
■YouTubeキラーの動画サイト『Blinkx』:顔や音声検索のほか、「番組」も | WIRED VISION
詳細はリンク先の記事を読んでいただくとして、なかなか快適です。
動画サイト「Blinkx」に集められているのは、YouTube、break.comなど動画共有サイトのものや、ITN、ロイター、CNNなど報道系の公式な動画ニュースなど、複数のサイトにある、様々なジャンルに及ぶ動画です。5日に全面リニューアルが完了したようで(記事によると「約3200万時間分の動画をインデクス化」)、「inform me」「entertain me」「give me my own channel」などの新機能も登場しています。
個別ページでは大きな画面に使いやすいメニューバー。ソースや詳細は右側に表示されていて、見た目もすっきりとしていて操作性は抜群。ごちゃごちゃしたYouTubeと差は明らか。
(source:WIRED VISION)
1分から2分程度の短いニュース映像やインタビュー映像が豊富で、YouTubeでは埋もれて見つかりにくい動画もここなら簡単に見ることが出来るかも。ただ、貼り付けたときに自動で再生されてしまうのでブログへの投稿には適さないみたいです。参考までにトム・ヨークの映像を2本。
■ Blinkx - 'Name your price' say Radiohead(ニュース)
■ Blinkx - Singer leads green campaign(ニュース / インタビュー)
UK離れの特効薬となるか? 新刊「ロッキン・ロンドン」
「ロッキン・ロンドン」 / 三浦義和・齋藤一彦
出版社:東京地図出版
ISBN:978-4808585198
内容:ロックが生まれた地、ロンドン。業界オヤジ2人がロンドン市内にあるロック所縁の場所を、数々のエピソードと「うんちく」で紹介するガイドブック。ビートルズを初めとした、数々のアーティストが登場し、名所の数はロンドン市内だけで112カ所! 地図付きで実用性はもちろんのこと、行かない人にも読み物としても楽しめる内容です。撮りおろし写真で各名所の「今」がわかる貴重な一冊です。
長年患っている「脱ブリティッシュ・ロック症」の特効薬となるか?! それにしてもこんな出版社から音楽本が出るなんて、委託配本少なそう。自己陶酔型のレビューが喧しいありきたりな音楽ガイド本ではなくて、構成はいかにも旅行ガイド本をメインに扱っている版元のものという感じ。Hammersmith Apolloなどロンドンを代表する音楽ホールの写真も多くて、読みやすいと思います。
ほんとは「ト」じゃなくて、「ソ」なのかも。
ちょっと面白そうな本。ピーター・バラカン氏の英語本なんて珍しいなと思ったらNHKか。
「猿はマンキお金はマニ―日本人のための英語発音ルール」/ ピーター・バラカン
出版社:日本放送出版協会
ISBN : 978-4140350829
先月に、トム・ヨークのバイオグラフィ本を注文して納期を調べてもらったとき、担当者がタイトルの「Thom Yorke: "Radiohead" and "Trading Solo"」の頭の部分を「ソム」って読んでて、「ああ、知らなかったら普通にソムって読むのかなぁ」と思った。
「th」のあとに「o」が来る単語、thorn、thought、thousand。ソーン、ソート、サウザンド。皆、「さ」行の音でカタカナ表記するのに、どうして「Thomas」だけ「トーマス」って「た」行なんでしょうね。不思議。
詮無いことですけど、これがもし「Thomas」=「ソーマス」「Thom」=「ソム」が常識の世界だったら、「Thom Yorke、漢字で書くと「富む」と「欲」」っていう5・7・5調の古いギャグがまったく通じなくなるとこだったなぁ・・・って、まぁどうでもいいや。
どうでもいいついでに、Wikipediaの「トム・ヨーク」の項目、いつの間にあんなに充実してたんだろう? 概説にある文章「皮肉的で厭世的~」という部分、これと同じような意味合いを、己はこのnaku-yoru.com上で「怒りや皮肉、諦観を込めた歌詞~」という言葉を使って表現していて、似てるのは単なる偶然なんだけど、悪いことしたみたいに無駄にドキドキしてしょうがない。
己が感じる、表現者トム・ヨークの世界を見る「視点」の移り変わりって、「皮肉、厭世」を経て、「絶望」を経て、「KId A」以降は「諦観」っていう印象。見たくないものは見ないという逃避 ・拒絶の姿勢から、じっと見据えて、真理を探らんと屹然と対峙する。そういう「静かな闘志」みたいなものを、己は今のRadioheadの楽曲からけっこう感じるな。