旅行かばんの中の一冊、押井守「凡人として生きるということ」
4日、5日は仕事で上京していました。5日は、猫好きには有名らしい谷中へ初めて行ける機会があったのに、書店をいくつか回るうちに今回もやっぱり時間切れ!! バタバタとモノレールに乗り込むのでした。
この間までスタジオジブリのプロデューサー、鈴木敏夫氏の本「仕事道楽―スタジオジブリの現場 (岩波新書)」 を読んでいた流れで、今回の道中に携えていった本はこちら。(が、帰りの飛行機は悪天候で揺れて、飛行機ニガテな己は本など読む気持ちの余裕はなかったのでした。もう空はやだ >< )
『「正義の戦争」と「不正義の平和」』という後藤隊長の台詞が印象に残る名作「機動警察パトレイバー 2 the Movie」を筆頭に、「パトレイバー」シリーズや映画「攻殻機動隊」「イノセンス」など、作品の世界観とシナリオに含まれる独特の社会的表現と真摯な作品づくりで、己も大好きなアニメーション映画監督、押井守氏の本です。「オヤジ論」「自由論」「勝敗論」「セックスと文明」「コミュニケーション論」「オタク論」「格差論」の7つの章で構成。第二章の「自由論」の一遍、「すり寄る子犬を抱きかかえよ」という項。「子犬」にしちゃうところが犬好きの押井さんらしい例えだ。
「自由」「不自由」の違いって簡単に言えば、「自分が楽しいかそうじゃないか」ということだと思うのだけれど、例えば自分に近寄ってきた幼い捨て犬がいたとして、拾って飼い始めてから先の生活の変化は実際、肉体的にも精神的にも負荷になることがあるかもしれない。けれど他者の人生に関わることについて、まだ実感もしていない先の不安や苦労、不自由を考えて、その機会を避ける方の選択は結果停滞したままで何も生み出さないし、それってつまらないんじゃないの? そんなことよりも、関わり合いのなかで得られた大小の豊かさを意識したほうが楽しい、それこそ「自由」ってことなんじゃないの? という話。まだ半分も読んでいないけど、☆4つ。鈴木さんにしろ、押井さんにしろ、ものづくりに携わる挑戦者の話は面白い。
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