Book-a-Holic
最近、良い音楽が少なくなってきたなぁと感じていたら、やって来ました、活字中毒再び。
といっても、最近の文芸書にはまったく食指が向かず、相変わらず本邦近代もの漁っていまして、ちくま文庫には大変お世話になっています。
文庫の話で思い出すのは、「出版社別に本が並んでいるのはおかしいんじゃないの?」というご意見をいただいたことがありまして、実際に文庫・新書売り場を一般書のように、出版社関係無しに全部ジャンル別、作者名順にしちゃったらどうなるんでしょうね。
商品の配架と管理の作業は簡単なようで重大な仕事。本屋には目的買いのお客以上に、ぶらり立ち寄り型のお客さんの方が多い。「必要な本」と「欲しい本」っていうのは別なんですね。何か必要な本を買いに来ても、その本の横に何か面白そうなものがあればすっと手が伸びる。文庫本ならばそんな高いもんじゃないので尚のこと。
人間関係でもいえる事ですが、何か少しでも自分の欲求に沿う反応を相手に見ることが出来たら、興味がぐんぐんと湧いてくる。「如何にウチのファンを作るか!」 これが目下の課題であります。常連さんをつくるのはどこの小売業でも基本のキですね。そこで試されるのは棚担当者の選書眼。扱うモノがモノだけにここは知識量&知的センスを要求されます。あからさまなテーマではなくて、ひとつ捻りのきいたような「いき」なエンド台を発見すると担当者の個性が見えてくるようでわくわくしますね。・・・ただその感動も客目線のときだけであって、実際選書の段階となると、あーでもないこーでもないと薄っぺらな脳みそ絞ってますが。
担当者の仕事はその個性を積極的に出していかねばならないとの同時に時勢も読むべきなのは当然で、何よりも情報の正確さが要求されますので、決して独善的に気分でやる仕事ではないのですが、精神医学の平台で好調の「うつ病診療Q&A 」(日本医事新報社)の横に、既刊の「これだけは知っておきたい女性とうつ病 」(医薬ジャーナル社)をふと置いたら、ぽつぽつ売れて、思いがけぬ反応を得て嬉しい反面、己の精神状態をあらわしたような商品でこりゃ何だかナー・・・という今日はそんなお話。
最近買った、または購入予定の猫の本。
「ネコ 立ちあがる―ニッポンの猫写真集」
長崎県がないだと・・・? 「神様」イワゴウさんは是非雲仙の地獄温泉猫に会ってきて下さい。あいつら元気かな?
「梶井基次郎全集 全1巻 (ちくま文庫)」
「檸檬」とともに収録されている「愛撫」は猫の手で化粧する女の話。夢といっても女は残酷だねーとにゃんこの柔らかい肉球を瞼に押しあててみる。あれは猫飼いならではの至福ですね。
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