暑中見舞い:cool as a cucumber
仕事の話ですが、先日、某出版社の営業担当M氏に2年ぶりにお会いした。
東京も福岡も気温は高いことにはかわりないが、湿度がまるで違いますねぇ。
などと言いつつ、M氏はスーツを着ていてもさほど不快そうに見えない。
”男前”標準仕様で生まれながらにして体温調節機能でも備わっているのだろうか。
梅雨明けもしたし、ここ1週間で夏らしさの頂点に達したような天気。
で、朝晩は火を使った調理を避けがち。コーヒーを煎れる為にコンロに火を入れるのにも一汗。
値段の割に味のしっかりしたキュウリを見つけて、これは最近嬉しかったことのひとつ。
「スーヨーキュウリ」という名前で、調べてみたら「四葉胡瓜」と漢字で書くそう。
「スーヨー」という響きとキュウリの青い風味とが相まって、実に爽やかなイメージ。
合わせて、知らなかったことはキュウリの花言葉。
「洒落」と「批判」。 ずいぶんと知的ですね。
「洒落」で思い出すのは、昔、「天才バカボン」の歌で「なすがままなら、キュウリはパパだ」というフレーズがあったけれど、あれが「成すがまま」と「ナスがママ」をひっかけた洒落だったということに気付いたのは多分大人になってからだ。バカボンのパパはキュウリじゃない、ジャガイモだよ!とガキであった己はあさっての方角に主張をぶつけていた。
キュウリっぽい人っていうのはぁ、細長くスマートでぇ、アクは強くないんだけど個性的な匂いがしてぇ・・・。
そうそう、ちょうどRadioheadの右側にいるあのギタリストなんて、キュウリっぽい。
左側は・・・セロリかな。ぴしっと筋の通ったぱりぱりした感じとか。
そのうしろのぴょんぴょん縦飛びしてるベーシストは、ズッキーニ。見た目がキュウリそっくりの野菜だけど、味は全然違う野菜(本当はカボチャの仲間、なるほど焼くと美味しい訳だ)。
ドラマーはユリ根。何が似てるかって、そりゃ・・・。
中央のあのちっこい人? あの人はイチゴ。
果物売り場で売ってるけれど、正しい分類は野菜。
草から生ってるんだから確かに野菜だよねと言っても、本人は認めない。漢字で書くと部首が「くさかんむり」だけど決して認めない。
だって「俺は野菜じゃない〜」って昔歌ってんだもの。
しかし、同じ時期に「ここはオレの居場所じゃない〜」とも歌っていたイチゴ。
「赤くて甘いすてきな果物でいたいのに」という願望と「結局は野菜と同じ、青くさい緑色の仲間なのさ」という現実の自己認識とのジレンマに苦悩するイチゴに、確固たる自信とレゾンデートルを模索し、同じような苦しみを抱いていた世の若者たちは共感し、イチゴは一躍有名になった・・・のかどうかは知らない。
料理前に、そんな妄想をかき立てる野菜たちがいろいろと詰まった我が家の冷蔵庫。
冷蔵庫の扉にはカレンダー。今年2008年はw.a.s.t.e.からオフィシャルカレンダーが発売されなかったので、Rockin On誌のものを使っています。
7月は今年40歳になるイチゴのすてきなショット。
自分が果物だとか野菜だとかそんなのは実は些末な事だ。食べてくれる人が美味しいと感じてくれればそれでいいのだ、という真理に至ったイチゴ・ヨークの表情は穏やかさそのものである。
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