Photography Masters Cup/被写体としてのT・ヨーク
イギリスの「International Color Awards」が現代的で優れた写真作品と写真家を表彰する「Photography Masters Cup」。第3回を迎える今年度のエントリーは本日で一旦締め切られ、最終の期限は6月20日となっています。
■ Photography Masters Cup | International Color Awards
審査員にはTaschen、National Geographic、Phaidon Publishingなど日本でもお馴染みの芸術系出版社から、Financial Times、Channel 4、Fox Broadcastingなどマスコミ系、Christie'sなども参加。部門はプロフェッショナルとアマチュアにわかれ、作品のカテゴリも細かく分けられています。
- 「Abstract (抽象写真)」プロフェッショナル/アマチュア
- 「Advertising(広告写真)」プロフェッショナルのみ
- 「Architectual(建造物写真)」プロフェッショナル/アマチュア
- 「Fashion(ファッション写真)」プロフェッショナルのみ
- 「Fine Art(芸術写真)」プロフェッショナル/アマチュア
- 「Nature(自然写真)」プロフェッショナル/アマチュア
- 「People(人物写真)」プロフェッショナル/アマチュア
- 「Photojournalism(報道写真)」プロフェッショナル/アマチュア
- 「Sport(スポーツ写真)」プロフェッショナルのみ
- 「Still Life(静物写真)」プロフェッショナル/アマチュア
第2回のアワードでは、アメリカのプロ写真家Pier Nicola D'Amicoによる人物写真部門のエントリーで、
Radioheadのトム・ヨークのポートレートがノミネートされていました。
セピア調のなかで、背景の素朴なイラストと対照的に沈黙するトム。
■ 2nd Annual Photography Masters Cup - Pier Nicola D'Amico / People Nominee
トムの写真がエントリーされたこの部門には、被写体や色彩、構図など、どれも印象的な作品ばかり。
公式サイトのギャラリーで閲覧できます。
■ 2nd Annual Photography Masters Cup - People Nominees (Professional)
また、Pier Nicola D'Amicoのサイト「D'Amico Studios」では、上記のノミネート作品と同じシーンらしい作品を2つ見ることができます。「The Eraser」ポーズのトム、鳥たちのシルエットとトム。下記のリンク先のページから、左下にあるメニュー "portraits"へ進んでください。
■ D'Amico Studios(公式ウェブサイト)
ちなみに、この「The Eraser」ポーズのトムの写真作品は、2006年にアメリカで行われた「International Photography Awards 2006」のプロフェッショナル・エディトリアル部門/パーソナリティというカテゴリーにエントリーされて、こちらは2位入賞を果たしています。
■ International Photography Awards - 2006 Winners
(追記:上記のページは繋がりにくいため、IPAの本サイトのリンクを貼っておく。
> > 「International Photography Awards(公式ウェブサイト)」)
年を跨いだ別の写真賞に同じ被写体、しかも同じシーンのショットを持ってくるなんて、どれだけ自信があるんだよ!と軽くつっこみたい気持ちも無いことは無いですが。
更に過去を思い返すと、2004年の写真賞「The Best Of Still Photojournalism 2004」では、ジェイソン・ベル(Jason Bell)がTime誌のために撮影したトムのポートレートが2位入賞を果たしていましたね。
その写真と同じシーンの一枚は、シンコーミュージックから発刊された書籍「エグジット・ミュージック - レディオヘッドストーリー(増補改訂版)」の表紙に使われ、見知っている方もいるかと思います。
■ The Best Of Still Photojournalism 2004 - 2nd place 「Radiohead(Jason Bell, for Time Magazine)」
どちらの作品も、非常に特徴的かつ彼独特の表情を捉えています。写真家にとって人物写真(特に世間で影響力のあるといわれる有名人のポートレート)の撮影は、風景や静物を撮るときとは違った、特別に何か感じ入るものがあるのでしょうか。
Radioheadの海外のライヴなどでは、演奏を聴くことよりも先にステージ真下に張り込んで、宮嶋茂樹ばりのカメラマンと化す熱心なファンもいますが、被写体としてのトム・ヨークにレンズを通して触れている人々のコメントも聞いてみたいものですね。
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