猫が家出をしました
うちの3匹の猫のうち、一番年長の「しゃちょう」。
少し太り気味で、すでに腰のくびれなど無くなっています。
最近では、暑いせいもあって、朝出勤するときにはこの格好。
で、夜、帰宅してもこの格好。
数ヶ月前くらいまでは、己が帰って玄関のカギをがちゃり開けると、その音を聞いて、ちゃんと玄関までお迎えしてくれる猫だったのに、今ではその役目はゲンキが担っています。
特に気温の高く蒸し暑いこの夏は、 涼しいところで寝そべったまま、ろくにご飯も食べようとしないから、己が「よいしょ」とこの猫の巨体を抱え運ぶ始末。
異変が起こったのは、日曜の夜。
この日は出かける用事があり、昼過ぎに猫が外に出たがっていたので出してそのまま外出。夜に帰宅。
いつもなら音を聞いて、どこからともなくのそっと現れるのに、この日は気配がまるでない。
あまり外出をしない猫でも不在は2晩が最長なのに、今回に限っては火曜になっても、水曜になっても帰ってきません。
近所には気配すらない。猫の鳴き声は聴こえるのだけれど、自宅の周り数件のお家で飼われてる猫のそれ。(鳴き声ははっきりと聞き分ける事ができるのです) 「やっぱり複数飼いは見えんストレスがあったのかなぁ」と悶々。
眠れぬ夜が続き、3時間ほどの睡眠しか取る事が出来ません。iPodを充電するのも忘れ、仕事中はふと暇になると、思い出して気分が沈んだりして、ただでさえ睡眠不足なのに使い物にならない己。
近くの草むらの虫の音と、遠くの暴走族の爆音だけがやたらうるさい田舎の丑三つ時。
帰らぬ愛猫を待ち待ち、これといって時間を潰す手だても無いから、このサイトのHomeに時計をくっつけてみたり、タグクリックを付けてみたり。というわけで若干デザイン変更しています。
子供の頃から捨て猫やもらい猫と暮らして、病気をしたり野犬に襲われたりといろいろなお別れがあったけれど、やっぱり急にいなくなっちゃうのはないよなぁ・・・。
木曜日の夜までは微かに希望を持っていたのですが、その夜も、24時を過ぎ、25時を迎え、26時に針がかかり・・・。
思いもかけなかった、突然の猫の家出。
聞くところによると、1年くらいして戻ってきたとか、5年して、近所のノラ猫集会に紛れていたのを発見したとか。
あまりに寂しくて、関東にお住まいのとある方にメールをしていたら、この夜にとても気遣いに溢れた返信をいただき、感激。yasukoさん、あらためてありがとうございました。
じりじりと夜が更け、とうとう28時。朝の4時。外は新聞屋さんのバイクの音。
この日は6時起きで出勤しなければならなかったので、2時間だけ寝よう。
勝手口の猫窓だけ開けておく。
明け方の夢で見たのは、その「しゃちょう」が帰ってきた夢。とてもリアルな映像だったが、夢の中で「これは夢だな」と分かっている自分自身がいて、どうにも虚しく悲しい気分。
東向きの窓から白々と朝がやってきて、部屋の中の暗闇をさっさと拭き取って行く。
「しゃちょう」は己の自室が何やらお気に入りのようで、夜中に部屋の戸をがりがり引っ掻いて己を起こすと、枕を半分こして朝までいっしょに寝ることもよくあった。(たまに面倒で無視し続けていると体当たりを始め、しまいにはうんちをしかけていくような悪癖の猫) その習慣のまま、その朝も戸は開けっ放しだった。
悲しい夢からゆっくりと目が覚めて、視界が徐々にはっきりとしてくる。
目の前には、見慣れたシマシマの大きな背中。
あれれ? これは夢の続きなのかしら?
・・・今日ほど、不思議な気分を味わった日はありません。
あの夢を己に見せたのは、単純に頭の中で思い詰めてた想いがあらわれただけなのかもしれないし、寝ている間に体に感じていた猫の体重とぬくもりが、夢の世界に干渉したのかもしれない。
とにかく帰ってきました。
「もう、どこ行っとったと!!」「・・・」
ここで奴が「ごめんにゃさい〜」って頭下げて詫びの一言でも入れれば、本当に奇跡だったのですが。
まぁ、でも明け方4時まで粘った己の目の前で帰宅せずに、寝ている間に音もなく戻ってきて、いつもの日常をそっと返してくれた、もの言わぬ猫。
なかなか殊勝じゃないか。・・・殊勝か? ばつが悪かっただけだな。
コメントする